皆さん、こんにちは。あらい歯科クリニック玉川学園前です。 鏡を見たときに「被せ物と歯茎の境目が黒い」と感じたことはありませんか? 笑ったときに黒ずみが目立つと、見た目が気になるだけでなく「虫歯ではないか」 「歯茎の病気ではないか」と不安になる患者様も多くいらっしゃいます。 実はこの黒ずみの原因は、虫歯や歯茎の炎症ではなく、被せ物に使用された金属が 関係していることがあります。本記事では、被せ物と歯茎の間が黒く見える原因と、 代表的な「メタルタトゥー」について、その治療法まで歯科医師がわかりやすく解説 いたします。 ▼被せ物と歯茎の間が黒い原因 被せ物や詰め物に金属を使用した場合、金属イオンが長い時間をかけて歯茎に沈着し、 黒い色素沈着として現れることがあります。これを「メタルタトゥー」と呼びます。 メタルタトゥーは入れ墨のように歯茎に色が残る状態で、一度沈着すると自然に消える ことはありません。虫歯や歯周病とは異なり、痛みや腫れといった症状を伴わないため、 健康上ただちに害があるわけではありません。しかし、笑ったときや会話中に黒ずみが 目立つと、審美面での大きな悩みとなります。 特に、古い金属冠(銀歯など)や金属製のコア(土台)を使用している場合に起こりやす く、長年使い続けることで徐々に歯茎に色が移っていきます。被せ物を取り替えても歯茎 に色が残ってしまうため、治療には専門的な対応が必要です。 ◎金属製の土台が透けて見えている場合 被せ物と歯茎の間が黒いからといって、すべてがメタルタトゥーとは限りません。もう一 つの原因は、被せ物の内側に使用された金属や金属製の土台(メタルコア)が歯茎の薄い 部分から透けて見えているケースです。 前歯など歯茎が薄い部位では、金属の色が光を透過して歯茎に影を落とし、黒ずんで見え ることがあります。こちらは金属が直接歯茎に沈着しているわけではなく、あくまで透け て見えることによる「黒さ」です。この場合、歯茎自体の色素沈着ではないため、被せ物 や土台の素材を変更することで改善が期待できます。 ▼メタルタトゥーの治療法は? ◎レジンやセラミックによる被せ物の再製作 被せ物が原因で歯茎に黒ずみが出ている場合、金属を使わない素材への変更が有効です。 具体的には、オールセラミックやジルコニアといった白い素材を選択することで、金属透 過による黒ずみを防ぐことができます。これにより、見た目も自然で美しくなります。 また、土台に関しても従来の金属コアではなく、グラスファイバーを用いた「ファイバー コア」を選ぶことで、歯茎に金属が透けたり沈着したりするリスクを減らせます。 ◎審美面を考慮したトータル治療 黒ずみの原因がメタルタトゥーか、金属の透けかによって治療方針は異なりますが、いず れの場合も「審美面と機能面の両立」が重要です。単に黒ずみを隠すだけでなく、噛み合 わせや歯茎との適合を整えることで、長期的に安定した口腔環境を保つことができます。 ▼まとめ 今回は、被せ物と歯茎の間の黒ずみについて解説しました。被せ物と歯茎の間が黒い原因 には、金属イオンが沈着して生じる「メタルタトゥー」と、金属製の土台や被せ物が透け て見えるケースがあります。どちらも健康被害を直ちに引き起こすものではありませんが、 見た目の悩みにつながるため、治療を希望される患者様は少なくありません。治療には、 金属を使わない素材への交換やレーザー・外科的処置などがあり、状態に応じて選択 されます。気になる黒ずみがある方は、早めに歯科医師にご相談いただくことで、自然 で美しい口元を取り戻すことができます。
【執筆監修】
医療法人社団プレジールあらい歯科クリニック玉川学園前
歯科医師 院長 新井容太