皆さん、こんにちは。玉川学園駅すぐの歯医者、あらい歯科クリニック玉川学園前です。 親知らずの中でも「横向きに生えている親知らず」は、抜歯の難易度が高いケースが多く 見られます。また、歯が横向きに埋まっていることで隣の歯を圧迫したり、歯茎の腫れや 虫歯の原因になったりするため、早めの診断と適切な処置が大切です。横向きの親知らず は、神経や血管の近くに位置することも多く、通常のレントゲンだけでは正確な状況を把握 できない場合がある点にも注意が必要です。そこで重要となるのが CT 撮影です。 本記事では、横向きの親知らずの抜歯の難易度と CT 撮影の必要性についてわかりやすく 解説します。 ▼横向きの親知らずの抜歯の難易度 ◎そもそも横向きに生える親知らずとは? 親知らずは、奥歯のさらに奥に生える永久歯で、10 代後半から 20 代にかけて萌出しま す。しかし顎の大きさや歯並びのスペース不足から、真っ直ぐに生えることができず、 横向きに生えてしまうことがあります。横向きの親知らずは、歯茎の下に埋まったまま 出てこない場合や、一部だけ顔を出している半埋伏の状態で止まることも少なくありません。 ◎横向きの親知らずの抜歯が難しい理由 横向きの親知らずは、以下のような理由から抜歯の難易度が高くなります。 歯根の形態が複雑:曲がっていたり、太さが不均一であったりするため、抜く方向を誤る と歯が折れてしまうことがあります。骨に深く埋まっている:歯茎や骨を切開する必要が あり、通常の抜歯よりも外科的な手技を要します。 神経や血管との距離が近い:特に下顎の親知らずは、下顎管と呼ばれる神経・血管の通り 道と接していることが多く、慎重な処置が必要です。隣の歯を圧迫している:手前の第二 大臼歯に虫歯や歯周病を引き起こすリスクがあるため、タイミングを逃さず対応すること が重要です。 ◎横向きの親知らずの抜歯後のリスク 難易度が高い分、抜歯後には腫れや痛みが強く出ることもあります。特に横向きの親知ら ずは、抜歯に時間がかかることが多く、術後に腫れや開口障害、噛み合わせの違和感を覚 える患者様も少なくありません。そのため、事前の精密な診断と術式の選択が大切になり ます。 ▼横向きの親知らずの抜歯は CT 撮影が重要な理由 ◎レントゲンだけでは分からない情報 一般的な歯科治療ではパノラマレントゲンを用いることが多いですが、二次元画像である ため、親知らずと神経や血管との正確な位置関係までは把握できません。横向きに埋まっ た親知らずの場合、角度や深さによってはレントゲンでは判断が難しいケースが多くあり ます。 ◎CT 撮影の役割 CT(コンピュータ断層撮影)は、三次元的に顎の骨や歯の状態を把握できる検査です。 これにより、以下の情報を正確に確認することができます。 ・親知らずの歯根の形態や方向 ・神経や血管との距離や位置関係 ・骨の厚みや硬さ ・隣接する歯への影響 これらの情報をもとに、最も安全で確実な抜歯方法を選択できます。 ◎安全性と予後の向上 CT 撮影を行うことで、術中に神経や血管を傷つけるリスクを最小限に抑えることが可能 です。また、あらかじめ抜歯の難易度を把握することで、患者様に適切な説明と術後の予 測を伝えることができ、不安を軽減する効果もあります。さらに、術後の腫れや痛みをで きるだけ抑えるための工夫も立てやすくなります。 ◎CT 撮影を推奨するケース 特に以下のようなケースでは CT 撮影が推奨されます。 ・下顎の横向き親知らずが骨に深く埋まっている場合 ・神経や血管に近接していると考えられる場合 ・歯根の形が複雑で通常のレントゲンでは判断しづらい場合 ・過去に難しい抜歯で合併症が起こった経験がある患者様 CT 撮影による診断は、横向きの親知らずの抜歯において安全性を高めるための重要なス テップといえます。 ▼まとめ 横向きの親知らずの抜歯は、歯根の複雑さや神経・血管との距離、骨への埋まり方によっ て難易度が高くなることが多い治療です。そのため、術前の診断と準備がとても重要にな ります。特に CT 撮影は、親知らずと神経の位置関係や骨の状態を正確に把握できるた め、安全な抜歯を行う上で欠かせない検査です。親知らずの状態は患者様ごとに異なるた め、気になる症状がある方は早めに歯科医院での相談をおすすめします。 【執筆監修】 医療法人社団プレジールあらい歯科クリニック玉川学園前 歯科医師 院長 新井容太