当院でも、入れ歯安定剤を使ったほうが良いのかという質問を受けることが多いです。一般的に、入れ歯を使っているという方は高齢者の方に多いですが、入れ歯安定剤は使ったほうがいいのでしょうか。
結論から言うと、入れ歯安定剤はあまり薦めておりません。これはなぜかというと、もしも入れ歯が合わなかったり、ぐらつきなどが感じられる場合には、入れ歯の調整や、作り替えなどを提案することが多いからです。このため、入れ歯安定剤を使うよりも、まずは歯科医院での治療を選択してもらいたいということがほとんどです。
しかし、入れ歯安定剤を使うことで、いくつかメリットがあるともいえるでしょう。たとえば、入れ歯安定剤を使うことで、入れ歯のぐらつきなどが改善し、細かく食べ物を噛むことができるようになるケースもあります。
また、口の中が小さい場合には、うまく入れ歯を作ることができない可能性もあります。しかし、入れ歯安定剤を使うことで、合わない入れ歯を安定させることができる場合もあります。
しかし、歯科医院では、入れ歯安定剤がそれほどおすすめされていないのには他の理由もあります。それは、入れ歯安定剤には、化学物質などが含まれているため、使いすぎるとアレルギーなどの症状を引き起こしてしまう可能性があるからです。
さらに、入れ歯安定剤を使わずとも、入れ歯を作った時点でその人に合うように作られていることが多いからです。安定剤を使わずとも、入れ歯をつくる際に正しい入れ歯を作っていれば入れ歯安定剤は使わずに済みます。
また、入れ歯安定剤を使い続けることで、歯茎が痩せてしまうという危険性もあります。
これは、歯と入れ歯の間に安定剤が入ってしまうことで、歯茎に刺激が伝わらなくなってしまいます。このため、結果的に歯茎が痩せてしまうことにつながってしまうようです。
しかし、入れ歯安定剤は、アメリカなどの海外では使用されているケースが多いことから、日本の歯科医院でも、歯科医師がしっかりと管理をしている下で入れ歯安定剤を使用することもあるようです。
つまり、入れ歯安定剤を使うのであれば、歯科医師の治療や指導などを受け、正しい使い方で使うことが必要であるといえるでしょう。
しかし、その前に、歯科医師に入れ歯が合わない旨を伝え、根本的な原因というものを探ることが必要です。入れ歯安定剤を使う際には、慎重になったほうが良いといえるでしょう。