支台歯(しだいし)とは、ブリッジや義歯などの補綴物(ほてつぶつ)を支えるために使用される、
支えとなる歯のことです。
歯科治療における補綴(ほてつ)とは歯が欠けたり失った場合に、被せ物や入れ歯などの人工物で補うことをいいます。
入れ歯は紀元前2,000頃のエトルリア人の墓地から発掘されたことから、かなり古い時代から行われてきた治療法といえます。
日本でも奈良時代頃には入れ歯があったといわれています。
ブリッジとは、両脇の歯を土台にして人工の歯を橋のように架ける方法です。歯が1~2本なくなっても、その両脇の歯がしっかりしているときに行います。
しかし、支台歯となる歯には、通常の歯以上に大きな咬合力がかかるので、
それに耐えられるだけの十分な過重負担能力を有するということが条件になります。
咬合力とは、咬み合わせの際に加わる力のことです。咬合力の平均値は男性で60kgくらい、女性で40kgくらいとされています。
しかし、中には男女問わず100kgを超える人もいるので、人によって大きく差があります。
咬み合わせが悪かったり、歯軋りなどで通常とは異なる咬合力が歯に加わると、虫歯や歯周病、顎関節症、嚥下障害などの様々な歯科的問題が発生することがあります。
通常でも歯には様々な要因で負担がかかることがありますが、支台歯には通常の歯以上に大きな負担がかかります。
また、ブリッジをするためには、両脇の歯が健康な歯であっても削らなければならないということから、健康な歯の平均寿命よりも短くなってしまいます。
このことを避けるために、多くの歯医者さんでは、支台歯の数を減らすことが出きる治療法として、インプラントが注目されています。
また、被せ物をする際には歯を補強するための土台が必要なことが多く、保険の土台はメタルの土台が多いです。保険外の土台ではアレルギーの出にくいゴールドや、アレルギーの心配のないファイバーコアがあります。
どんなに質の良いクラウンをかぶせたとしても、土台が悪ければ全く意味がありません。
逆を言えば土台がしっかりしていれば、後からクラウンを変えることが可能になります。
しかも、土台は一度装着すると外すのが非常に困難で、無理に外そうとすると歯が割れて抜歯になってしまうことすらあります。
当院でも土台はやり直ししづらい治療だと思い慎重な素材選択を進めています。