歯と歯茎の境目に歯垢がたまり細菌が増殖して炎症を起こすと、痛みは伴わないものの、歯茎が赤くなったり腫れたりしてきます。歯周病は、このような細菌の感染によって引き起こされる病気です。
進行すると、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の境目の溝がどんどん深くなってゆき、歯を支える骨である歯槽骨が溶けて、歯がぐらぐらと動くようになります。さらに進行すると、歯を抜かざるを得なくなります。現在、日本人が歯を失う原因のトップが、この歯周病なのです。
初期の段階の歯周病は自覚症状がないため、放置されがちです。「歯肉が赤く腫れている」「歯を磨くとき、歯茎から出血する」「歯茎がむずかゆい」「歯が長くなったような気がする」などの症状がある時は、歯周病が原因と考えられるため、すぐに歯医者で診療を受ける必要があります。歯周病の予防のためにも、定期検診を患者様にオススメしております。
歯周病が進行すると、歯がぐらつくようになり、食事に支障がでてきます。痛みもありますので、その時になって、ようやく歯医者を訪れるという人もいます。それでもなお放置しておくと、歯が抜け落ちてしまうことになるのです。また、歯周病を放置して、内部にまで進行してしまうと、通常の治療では対処しきれなくなり、手術が必要になる場合もあります。そして、たとえ手術をしたところで、溶けてしまった骨はなかなか元には戻りません。手術をしても、結局は歯を抜くことになる場合も少なくありません。
歯周病の恐ろしさは、歯が抜けてしまうことだけではありません。歯周病の原因となった細菌が、血液の中に入り込んで、全身を回り、身体のあちこちで炎症を引き起こすということもあるのです。歯周病によって、他の様々な病気が引き起こされることもあるのです。
最近では、歯周病は、心筋梗塞、がん、糖尿病などの原因になるとも言われています。
歯周病は単なる歯と歯茎の病気ではありません。最悪の場合は、死を招く病気にも結び付くものです。初期段階での治療がその後の健康に大きな影響を与えることになるので、予防と早期発見のために、歯医者での定期検診を欠かさないようにする事がおすすめです。