▼知覚過敏の原因とは?
知覚過敏は「歯の象牙質が露出している状態」で起こり、以下のような原因が考えられます。
1. 歯茎の退縮
加齢や歯周病の進行、強すぎるブラッシングにより歯茎が下がると、象牙質が露出しやすくなります。歯茎は歯の根を覆い、外部刺激から守る役割を果たしますが、歯茎下がりが進むと保護が失われ、知覚過敏が起こりやすくなります。
2. 強いブラッシング圧
硬い歯ブラシや力任せの磨き方は、エナメル質をすり減らし、象牙質の露出を招きます。また歯茎を傷つけることで、歯茎退縮を悪化させる要因にもなります。
3. 虫歯や歯の破折
初期の虫歯や小さなヒビは、象牙質や神経に刺激を伝えやすくします。虫歯と知覚過敏は症状が似ており、見分けがつきにくいため、注意が必要です。
4. 噛み合わせの不良や食いしばり
強い噛みしめや歯ぎしりにより、歯に亀裂が入り象牙質が露出することがあります。噛み合わせの不調和は、知覚過敏だけでなく歯や顎のトラブルを引き起こす原因にもなります。
5. 酸によるエナメル質の溶解
炭酸飲料や柑橘類、ワインなどの酸性食品を頻繁に摂ると、エナメル質が弱まり「酸蝕症(さんしょくしょう)」を起こしやすくなります。これにより歯がしみやすくなるのです。
▼知覚過敏の治療法
【自宅でできる対策】
● 知覚過敏専用歯磨き粉の使用
硝酸カリウムやフッ化物を含む歯磨き粉は、歯の神経伝達を抑えたり、再石灰化を促したりする作用があります。毎日の使用で症状の軽減が期待できます。
● 正しいブラッシング習慣
力を入れすぎず、やわらかめの歯ブラシを使い、毛先を歯茎に 45 度の角度で当てて優しく磨きましょう。特に子供やお子様の仕上げ磨きでは、強すぎないケアを心がけることが大切です。
● 食生活の改善
酸性飲料を頻繁に摂取する習慣を控え、摂った後は水で口をゆすぐとよいでしょう。また、就寝前の飲食は歯のエナメル質を弱めやすいため注意が必要です。
● 食いしばり・歯ぎしりへの対策
マウスピースを使用することで、歯への負担を軽減できます。市販品ではなく、歯科医院で患者様に合わせたマウスピースを作成することが推奨されます。
【歯科での治療法】
● フッ素塗布
フッ素を歯の表面に塗布することで再石灰化を促し、象牙質の露出部分を強化します。比較的軽度の知覚過敏に有効です。
● 歯科用樹脂(レジン)によるコーティング
象牙質が大きく露出している場合、レジンで歯の表面を覆い刺激を遮断します。見た目の違和感も少なく、短時間で治療が可能です。
● レーザー治療
歯科用レーザーを照射し、歯の神経を落ち着かせる方法です。痛みが少なく、即効性が期待できます。
● 噛み合わせの調整
噛み合わせの不具合が原因の場合、咬合調整を行います。歯の高さや接触点を微調整し、負担を減らすことで改善が見込めます。
● 歯周病治療
歯茎下がりが原因の場合、歯周病の進行を抑えることが不可欠です。スケーリングやルートプレーニングにより歯茎の健康を回復させ、症状の改善につなげます。
▼まとめ
知覚過敏は「単なる一時的な歯のしみ」ではなく、歯茎の退縮や虫歯、噛み合わせの不良など複数の要因が絡む症状です。自宅でのケアによって軽減できるケースもありますが、症状が続く場合は歯科での治療が必要です。放置すると歯の健康に大きな影響を与える可能性があるため、早めの受診をおすすめします。あらい歯科クリニックでは、患者様一人ひとりの症状や生活習慣に合わせた治療法をご提案しております。歯がしみてお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。
【執筆監修】
医療法人社団プレジールあらい歯科クリニック玉川学園前
歯科医師 院長 新井容太