メタルフリーとは、従来の金属のかぶせものや金属の土台を使わない歯科治療を指します。
日本の保険治療範囲内での治療の多くは、詰め物やかぶせものに金属が使われています。
この金属が口の中で錆びたり溶けてしまうことで、アレルギーなど様々な問題が現れます。その為メタルフリーにするメリットには、まず金属アレルギー防止が挙げられます。
当院でも歯科治療でのアレルギー防止に取り組んでいます。メタル素材を使わない事で、歯科治療に使用する素材の化学的な結合を期待でき、接着力を10倍近くにできる利点もあります。その為、耐久性があがることも期待されます。
そして、金属を長い期間口腔内に入れていると、金属アレルギーによる水疱が出来る可能性があるので、メタルフリーにすることでそれも防げます。
最近では金属によるホルモンバランスの乱れや、免疫力の低下なども問題視されるようになっています。その為、金属を使わないメタルフリーの治療方法が注目を集めたというわけです。
他にも、ハイブリッドセラミックという、プラスチックとセラミックを混ぜた素材を使用しているところもあります。
メタルフリーにしたことによって、肩こりや頭痛が改善されたという報告例もあります。歯科治療の素材選びは、心身の健康に大きく影響しているといえます。健康に良い歯科治療をみんなに受けて欲しいという気持ちから、メタルフリー治療を推進しています。
そもそも歯の治療は修理に近いもので、修理したものはいつか壊れるのが運命です。現在の歯科治療では失ったものを再生復活させる歯科治療ではなく、虫歯の進行を食い止める作業が主になります。痛みを伴った虫歯が発見された時、神経を取れば痛みを治める事ができます。
しかし、神経を取ってしまえばもう二度と神経は再生する事はできません。それが現在の歯科治療の限界です。
歯磨きやオーラルケアの大切さを説き、生涯現役の歯を20本残そうという運動は、歯が再生できないことからも力を入れられています。
そして、歯の寿命は神経を取ると10〜15年ほど縮まります。これは論文ベースで出ている統計です。
神経を取った歯は枯れ木のようにモロくなります。そんな脆くなった歯を金属の芯棒(メタルコア)を入れ支えます。
このメタルコアが歯よりも固いために歯が割れる可能性が高まります。
その上に銀歯をかぶせる事になるのですが、銀歯は口の中で徐々に錆びていくため、
虫歯の再発リスクが高まります。
また、一度銀歯をかぶせると虫歯の進行に気づきにくくなります。取り返しのつかない状態の虫歯になるのを防ぐためにも
できるだけ歯を長持ちさせるセラミック修復を取り入れるのがお薦めです。
それが歯を残すための最善の治療と考えられるからです。